ポーセラーツって何?
ポーセラーツはアートです
ポーセラーツという言葉は英語のように聞こえますが、実は日本ヴォーグ社の造語ですのでアメリカ人には通用しない単語です。
磁器(porcelain)と芸術(art)を組み合わせた造語で、株式会社日本ヴォーグ社が商標登録しています。
どのようなアートかというと、主に白色の磁器に転写紙などで柄を付けるものです。
難しい技術は要さないのに簡単にオリジナルの磁器を製作できますので、興味を持ってインストラクターの資格を取得しようとする者も増えてきました。
転写紙を使えばまるでシールを張るかのように上絵付けできますし、上絵の具でペイントすることも簡単です。
インストラクターの資格がなくても自分だけの磁器をハンドクラフトすることはできますが、深く理解してどんどん自宅にオリジナルのテーブルウェアを量産したければ
勉強して資格をとるのもいいでしょう。そうすれば人に教えることもできますし、なにより自分だけの素敵な磁器を製作するのがとても楽しくなりそうです。
柄の一切ない真っ白の器にも輝かしい魅力がありますが、特殊なシールである転写紙を器用に使いこなしてこの世にたったひとつの磁器を造ったり、
上絵の具で何匹ものわんこやにゃんこのイラストを描きこんだりするにはそこそこには知識があったほうがいいので、資格取得者も増えているのでしょう。
ポーセラーツ誕生
密やかなブームになりつつあるポーセラーツは1997年に誕生しました。
押し花やパッチワークなどのハンドクラフトで名高い日本ヴォーグ社が、磁器上絵付けの新境地として発表したのが始まりとなります。
それ以前にも磁器への上絵付けはされていましたが、職人さんが手作業でひとつひとつ仕上げていたりとなかなか大変なもので、趣味で手を出しにくい分野でした。
しかしポーセラーツ最大の特徴である転写紙の使用で、この工程は大幅に簡略化され、誰でもアートを楽しめるようになったのです。
絵が下手な人もセンスが絶望的な人でも、市販されている転写紙をシールのように貼るだけで巨匠に負けないデザインの磁器を製作してしまえるのです。
もちろんセンスがあるに越したことはなく、色使いや配置などで個性を表現することも出来ますし、本当に自由にデザインできるのがポーセラーツの特徴でしょう。
まだそれほどの長い歴史を持ってはいませんが、日本ヴォーグ社の頑張りもあり、世界中にポーセラーツは認知されつつあります。
磁器へのアートがポーセラーツではなく日本ヴォーグ社の提唱するものだけが本来のポーセラーツなのですが、今ではすっかりこのジャンルの全てが
ポーセラーツと呼ばれるようになっております。
この現象はウォークマンのようなもので、あまりに有名になってしまったので類似品であろうがこの手のものは全てポーセラーツであると定着してしまったのですね。
ポーセリンアート
ポーセリン(磁器)にアート(芸術)することをポーセリンアートと呼びますが、それを日本ヴォーグ社が商標登録したのがポーセラーツです。
磁器アートそのものをポーセラーツと呼ぶことも多いのですが、正確には日本ヴォーグ社に無関係のポーセリンアートはポーセラーツと呼ぶのは間違いなのです。
日本ヴォーグ社以外の、他社の販売している転写紙を使っての磁器アートはポーセラーツではなくポーセリンアートとなるのですが、
磁器アートイコールポーセラーツと認識されるほどにポーセラーツという呼称がメジャーになりすぎてしまっており、正しく使い分けられる人も少ないようです。
また中には転写紙を使っていればポーセラーツで、上絵の具を使用しているものはポーセリンアートだと思っている人もいますがこれも間違いです。
どんな手順であろうと、どんなテクニックを使おうと日本ヴォーグ社製品を使用していればポーセラーツと呼ぶのが正しく、それ以外はポーセリンアートです。
しかしそんなことに拘って言い争いをしても無益ですし、「筆を使っているんだ、じゃあこれはポーセリンアートだね」と呟く人がいてもわざわざ訂正しなくてもいいでしょうし、
口論に無駄なエネルギーを費やす暇があったらグレーやピンクを上手に使えるようセンスを磨いたほうがましでしょう。
正しくポーセラーツの定義の述べられる人はまだまだ少ないようですが、ハンドクラフトのポーセラーツ自体は世の中に浸透していますしね。